2011年8月20日土曜日

DENON DCD-3500Gの修復・蘇生

DENON DCD-3500G デスクトレー開閉不具合によるストレスを解消しました  ! ! !

現在 DENON からは ローディングベルトは部品供給不能となっています。

ベルト作成編と修理作業編を合体しました。

 30年少し前に購入した DENON  DCD-3500G を現役で愛用しています。無銭庵 仙人と申します。
古いものが捨てられない症候群となっており 未だに真空管アンプもこよなく愛し オーデォシステムとして使用続けています。古いものを現在でも使用し続けるためには それなりの手を加えなければ現状維持ができません。趣味の一環ですが道楽作業の修理・修復作業内容です。工作・加工技術がある方であれば修復可能と思います。多少ともご活用いただければ幸いです。

チャプター 1

バンコード丸ベルトを使って ベルトの作成手順


修復が完了した DCD-3500g

 購入後メーカーから補修部品としてディスクトレー開閉用ゴムベルトを複数組み保管し ディスクトレーの開閉が不安定になってくるとゴムベルトを交換して現在に至ります。
山小屋のシステムも同じ DCD-3500G を使用していますが 同様の症状が発生しています。製品重量が20Kg以上ありますので取扱には注意ください。

DCD-3500g 後部接続端子配置
小生のシステム音源としては PCによるデジタルオーディオ再生、PCM ICレコーダーでの生録、再生が主流となっていますが 過去の異物であるLPレコード、オープンテープ音源はほとんどデジタル化しました。デジタル音源であるCD再生・PC再生を主に楽しんでいます。
時々懐古感によりメカニックなオープンリールテープデッキを使い 70年代に録音された音源を聞くこともあります。LPレコードを再生し愛聴して 自己満足しています。これを道楽と申します。たまに使うCDプレーヤーのCDディスク出し入れに不具合が時々発生し ストレスとなっていたため 修復を決意しました。

物を捨てられない症候群の小生 若かりし頃お小遣いをため 苦労して手に入れたCDプレーヤーですから愛着があります。

DCD-3500g 内部構造

DCD-3500G内部は銅メッキされた鋼板をシャーシーとして作られおり ピックアップは非球面プラスチックレンズを搭載したスリービームのピックアップです。1世代のワンビームピックアップ(オリンパス・タオスと記憶)ガラスレンズ4枚構成から進歩し現在でも使用されているピックアップ構造です。ピックアップレンズはプラスチック非球面レンスが使われており 昔の話ですがプラスチックレンズ一枚25銭、金型数億円かかってると ピックアップ製造工場の担当者より聞きました。システムコントロール用のICはCXシリーズ(SONY)を使用されおりました。国内各社のCDプレーヤーではYAMAHAかSONYのICが主流でした。ディスク(スピンドル)モーターはダイレクトドライブ(DD)でブラシレスモーターを搭載、スレッドモーターはリニアモーターであり20数年前の商品としては贅沢な設計です。しかし現在の現行商品に比較して振動による音飛びは数多く発生します。

ピックアップ付近と交換したドライブベルト

ディスクトレー開閉機構は通常のDCモーターが使用されており 構造としてはゴムベルト・プーリー減速機構で トレーの開閉をします。ディスク開閉時 故意による異物かみこみ、人身事故等を考慮して安全性の高い スリップ機能がある ゴムベルト、プーリー減速機構です。安価な機器ですと ギア減速機構となっており高負荷時のスリップ機能がありません。 故意による異物混入故障、子供の手先を怪我をする事故がありました。また故障時 スリップ機能がないためギアが欠けが発生。DENONの設計者は滑り効果があり 安全性重視のベルトドライブで設計したと考察致します。しかしベルトは経時変化により劣化して ベルトによるトラブル発生確率は高くなります。
光学ドライブメカニズム

 ディスクトレー開閉用ゴムベルトは消耗品であり定期的に交換しなければ機能を維持することができません。


DENONサービスに確認したところ ゴムベルトは供給不能、修理はできません との返答でした。ピックアップも同様に供給不能との回答でした。

以前東京秋葉原・大阪日本橋・名古屋大須アメ横を探索しましたが適当なゴムベルトを見つけ出すことができませんでした。噂では中国で作成してくれそうですが1000本単位でないと製造しないようです。(未確認情報)

切り売りで購入したバンコード丸ベルト各種類

供給不能であれば部品を作成すればとの思いから検索しましたら 国内ベルトメーカーから自在に大きさのベルトが作成できることを知りました。

 バンコード丸ベルトと判明。種類も多品種販売されおり 今回は電子機器・家電機器修復の目的で4種類の素材を購入しました。
 バンドー化学で検索すればホームページより素材の概要がわかります。 
今回1.5mm,2.0mm,2.5mm,3.0mmの素材を切り売りで購入しベルトを作成しました。10m単位の切り売り素材を使用しての作成状況です。

ベルトの切りだし作業

作成するベルトを切り出し熱で素材を加熱し融着(溶着)してベルトを加工する手順です。
メーカーからは融着装置が販売されておりますが ホームページによると 約240℃の温度があれば融着することが明記されていました。

ここはアマチュアの精神に基づき融着(溶着)装置を作成しました。
加熱、加工治具としては
1.半田コテ先に加熱融着(溶着)平板(アダプター)の作成。
2.融着(溶着)するベルトを固定する架台。
3.加工されたベルトのつなぎ目の切削治具。

以上が加工治具として最低必要です。

各種半田ごてを改造

半田こてはグッドの半田ごて替えヒーターを使用しました。お手持ちの半田ごてでも作成可能と思います。70W,15W電力切り替えタイプのヒーターを加工して15W電力で融着(溶着)はできました。0.5㎜厚銅板を切り出し円筒に加工してヒーター部に巻きつけ平板部で素材を加熱します。3本の半田ごてにアダプターを取り付けましたが どの半田ごてでも融着(溶着)作業は出来ました。

バンコード丸ベルト工作治具の作成

固定治具は平行にスライドできなおかつ融着部が一直線上になる治具を作成しました。

加工するベルトを固定金具に装着

融着(溶着)する素材の融着面を半田コテ先の平板で数秒加熱します。温度が高いと融着面の素材に気泡が発生します。また融着温度が低いと完成後引っ張りテストで破断してしまいます。 融着面が加熱液状化したところで半田コテでの加熱を停止しスライド治具を平行移動し融着面が突起した状態で冷却します。加熱する前の手順として融着部を一直線上として融着面を付きあわせ 付きあわせた部分に半田コテ先の平板部を融着部に挿入して素材を加熱します。

半田ごてでベルトを加熱作業

融着後数十分以上治具で固定したまま素材を自然冷却したあと スライド治具からベルトを脱着ししばらく放置します。融着面は付き合わされて固化した部分に突起が発生します。最初ニッパーとダイアモンドヤスリで突起を削除しましたが思うような加工が出来ず 最終的にはキレの良い爪切りでベルト面がフラットになるように切削加工しました。

ベルト接合部突起物の切削
多少融着面に凸凹があってもデスクトレー開閉動作においては 多少回転ムラが発生しても機能的には問題はありません。カセットテープレコーダーのゴムベルトなどは融着面の加工が必要と思います。

切削工具として爪切りを準備


数10本もベルトを作成すればコツがわかってきます。ベルトの長さについては機器に装着した状態で動作確認し長さを調整してください。複数本異なる寸法のベルトを作成し実機に搭載し張力、滑り具合を観察する必要があります。又経時変化分も考慮して作成します。現物合わせ作業です。

もしも今現在新品の純正ベルトが比較用としてあったとしても バンコード丸ベルトと材質が違うため 伸縮率が異なります。又角ベルトと丸ベルトの違いによりプーリーに接触している面積が同じではありません。動力伝達能力、ベルトの構造と材質が違うため 同じ直径で作成しても装着後の動作状況は違ってきます。大まかな寸法の作成は可能です。カットアンドトライで作成し 実働試験の実施が必要です。このような現物合わせをして ベルトを作成しないと正常に安定動作させることができません。長さがミリ単位の調整をする必要があります。

工作が完了したディスクトレー開閉ドライブベルト
作成したベルトは歩留まりが発生します。複数本同じ物を作成して 融着(溶着)後一日ほど経過してから 引張、ストレス試験を実施しますと破断するベルトが発生します。加工技術が未熟なことに起因するかもしれません。機器に装着する場合は選別して取り付けてください。制作直後は融着面が完全に固化していないため破断しやすいと思いました。制作後最低一日は自然放置することが望ましいと思われます。作成後すぐにベルトを装着できませんでした。

修復完了後 ディスクトレー動作中に強制的にトレーを停止させた場合 DCモーターの回転は停止しました。人身事故を起こすような 大きなトルク発生はありませんでした。システムコントロールによりタイマー回路が組み込まれており 強制停止した場合は逆の動きをするシーケンスとなっていました。



DENONは上記のような設計思想で製造されていると思います。ゴムベルト経時劣化によるトレイ開閉不具合が発生したと考察いたします。ベルトは消耗品と思います。

上記の作業工程により 多種多様のベルトが作成できます。うでに自信のある方は一度は挑戦してみてください。面白い素材と思います。


以上の作業については自己責任でお願いいたします。




無銭庵 仙人の 独り言


バンコード 融着作業により 自在のゴムベルトが作成できました。 CDプレーヤーの修復が終わり トレー開閉の不具合が解消。多少とも機器使用における不具合によるストレスがなくなりました。角ベルトから丸ベルトになりますが機能上の問題は発生しておりません。順調に動作しております。バンコードは通常のゴムベルトに比べ経時変化による伸びが少ないように感じました。

その他の電子機器 特にペーター、VHSデッキの修復。30数年以上前からのビデオカメラ画像はビデオデッキが正常に動作する時期にすでにDVDデジタルデーターに変換終了しました。デッキの不具合があるとアナログからデジタルデーターに変換できません。ベルトによる不具合があれば 自在のバンコード丸ベルトを作成すれば修復可能と思います。古いテープデッキの修復を試みております。40年以上となります SONY 7インチ・オープンテープデッキ  TC6635 は修復完了。3~40年前からの生録のテープが多数あるため早々CDフォーマットにデジタル化しました。TEAC10インチ・オープンテープの 4トラデッキ X-10R、AKAI 7インチ・オープン4chデッキ GX280D-SSは着手しました。興味のある方は別ブログを参照して下さい。カセットデッキについてはデジタル化をするような録音されたテープがないため放置しております。

RCA 829B


古典的な ガラス工芸品 RCA 829B  通信管  (業務用 真空管) 電力増幅双ビーム管



チャプター 2

DCD3500G ディスクトレイ 修理・交換手順書



 DENON DCD-3500G ディスクトレイ開閉不具合による バンコード丸ベルトを作成、使用した部品交換手順書を記載します。個人的な主観による解釈記載ですので誤記述があるかもしれません。ご勘弁ください。道楽者で物を捨てられない症候群の 無銭庵 仙人 と 申します。 製造メーカー発行の修理マニュアルとは異なります。

昨今の時代にはマニュアルが無いと作業できない人たちが増えております。ゆとり教育の弊害だと自己解釈しております自由人です。


上図は DENON DCD-3500G 姿写真です。fig-1

今回のトレイ開閉不具合による部品交換手順書を記述いたします。使用する修理工具は汎用工具て修理は出来ます。

使用する工具
No.2プラスドライバー  ラジオペンチ  ピンセット  M4用六角レンチ と交換部品を準備ください。

CDプレーヤー本体を安定した修理のできる机等にスタンバイしてください。重量が20Kg以上ありますので一人作業での最大重量に匹敵します。運搬時には気を抜かないでください。怪我をします。


修理作業手順

木製キャビネットの取り外し


木製キャビネットの左右側面にある止めネジを4箇所取り外し 無くさないように別保管してください。
キャビネットも傷を付けないように別保管してください。
fig-2



天板 シールド鉄板の取り外し


木製キャビネットを取り外しますと天板のシールド鉄板が現れます。
鉄板周辺にある M4ネジを全数取り外します。
取り去った天板のシールド鉄板を別保管してください。
この状態で19インチ標準ラックに搭載は可能です。4Uの高さとなります。
fig-3



シールド鉄板を除去 CD本体内部


正面から見て右側が電子回路部。後部左が電源トランス二種類を搭載。左前部が今回修理するCDトランスポート部です。
この時点で 電源を投入し ディスクトレーが開閉途中の状態で電源プラグを抜きます。
トレイが開きにくい場合は手で介錯してください。
作業中は必ず電源プラグを抜いてください
fig-4



チャッキングアーム部の分解



CDディスクをターンテーブルに圧接するためのプラスチックのアームです。シーソー構造となっており後部にコイルスプリングが取り付けられており圧力を加える構造です。
fig-5

コイルスプリングの引っ掛けを外しチャッキングアームの分解


コイルスプリングをシャーシーから引っ掛けを外した状態です。必ず下側を外してください。
チャッキングアームのシーソー構造の支点ロック機構を解除し分解します。支点は2ヶ所あります。右側支点のロック機構のプラスチックの爪をピンセットで動かしチャッキングアームを取り外します。
コイルスプリングを紛失しないようにして別保管してください。
fig-6



ディスクトレイを手動で全開状態


トレイを引き出しますと上部のベルト交換ができます。DCモーター、中間プーリー間のベルトで
バンコード丸ベルトの直径が大、素材が2.0mmのベルトをピンセット等を使用して交換します。
角の黒いベルトを取り外します。
fig-7



バンコード丸ベルトに交換


写真右側が交換したベルトです。
右中央の円盤がターンテーブルです。ターンテーブルはブラシレスDDモーターによりモーターシャフトに直接取り付けられております。
画像中央左寄りがピックアップでレンズが確認できます。
ピックアップユニットはターンターブル側から外周部にスライドします、ピックアップの下にスレッドモーター(リニアモーター)の固定永久磁石とステンレスシャフトが観察できます。
fig-8



ディスクトレー前面プレートの取り外し


ディスクトレー前面のプレートは2ヶ所M4六角レンチを使って取り外します。ネジはタッピングネジ構造となっており ネジは最初硬くなっておるかも知りません。
取り外しましたら傷を付けないように別保管してください。
fig-9



前面パネルの分解取り外し


前面パネルは上下6本の黒色M3ネジで固定されております。
セット本体を修理テーブルの端に据え付けます。
パネル下側のネジは本体をひっくり返さずに作業しま。重量がありますので下側からネジを取り外します。本体上部にダンボール紙のような養生シートを準備します。
ディスクトレー前面プレートが取り外した状態です。
fig-10



前面パネルを分解し表示部への配線を取り付けたまま本体上部に載せます


本体上部に養生したダンボール紙の上に前面パネルを傷を付けないように置きます。
配線にストレスがかからないように注意してください。
取り外したネジと六角レンチです。
fig-11




下部のベルト交換


作業をするにあたり前足を自動車修理の要領で嵩上げしますと作業が楽になります。
下部中間プーリーとギアドライブプーリー間のベルトを交換します。
交換するベルトはバンコード丸ベルト 直径が小、素材が2.5mmと交換します。
fig-12



バンコード丸ベルトと交換


ピンセット等を使用して黒色角ベルトとバンコード丸ベルトに交換します。

これでベルトの交換作業は終了します。

この状態でも通電動作テストは可能ですが安全性を考慮し fig-4 の状態まで逆の順序で組み立てます。
fig-13



fig-4の状態まで組み立てが終わりましたら テスト用のCDレコードを準備します。

電源プラグを接続し 電源を投入しますとディスクトレーが動作します。OPEN/COLSEボタンを押してディスクトレーが開とします。CDレコードを挿入し動作試験を実施してください。
動作がスムーズになっているはずです。表示画面にディスク情報が表示されればOKです。CDレコードの開閉テストを何回か実施してください。動作に異常がなければ最終組立です。

天板のシールド鉄板を取り付け木製のキャビネットを取り付けてください。修理完了です。

その他点検事項

今回の修理作業において その他の保守作業としては
機器の製造から長期間経過しております。分解したついでとなりますが延命を考えて次のような保守作業を実施すれば良いと思われます。個人の判断で作業してください。

*** ピックアップレンズの清掃

ピックアップはレーザーダイオードの発光によりCDディスク面のピットと呼ばれる穴の有無を読み取る仕組みです。経時変化によりレンズ面の表面が汚れてCDディスク面のデーターを読めなくなり リードエラーが発生します。その場合はメガネふきのような柔らかい布を使ってレンズを掃除します。市販のプラスチックレンズ磨き液を使用されても良いと思います。小生の場合は超微細繊維"トレイシー"と呼ばれる布に少量のCDディスククリーナー液を塗布して レンズをなぜるように掃除します。

ピックアップは精密な構造となっており掃除には細心の注意が必要です。

掃除に自信のない方は 市販品のCDディスク型クリーニングディスクの使用をお勧めします。ディスクに刷毛がついたクリーニングディスクが販売されております。

ピッアップの不良原因としては

1. レーザーダイオードの出力低下 調整で修復できない場合はピックアップ交換。
測定器としてリーダー電子より以前 レーザーパワーメーターが発売されておりました。

2 .ピックアップレンズの汚れによるリードエラー 表面の掃除で修復できることがあります。レンズ裏側の汚れについてはピックアップ交換。

3. レーザー光線の光軸ズレ ピックアップ内部にはプリズム、偏向ハーフミラー、が光軸上に配置されており位置が狂うと動作しません ピックアップ交換。

4. フォーカスコイル、トラッキングコイルの断線があるとピックアップのレンズがX軸、Y軸に動かなくなりエラーとなります。その場合はピックアップ交換。

5. フォトダイオードの劣化 フォトダイオードは4分割フォトダイオードとビームトラッキング検出用フォトダイオード2個が使用されております。4分割ダイオードはビームが中心に来ると4つのダイオードの出力信号が同じ値になります。(fok信号) 出力信号は 3t-11t のアイパターン信号となります。デジタルデーター出力用です。 トラッキング検出フォトダイオードはビームがCDディスクピットの中心を走行する制御用ですので劣化するとエラーとなります。ピックアップ交換。

ピックアップを交換すると フォーカスオフセット、フォーカスゲイン調整 トラッキングゲイン調整 レーザーパワー調整 アイパターン調整など 20M以上のオシロスコープ等の測定機器を使用して再調整作業が必要です。修理調整マニュアル、測定器のない方には交換作業はできないと思われます。ピックアップの各コイルでレンズを上下、左右に動かしてCDディスクからの反射光をフォトダイオードで検出しピックアップを電子回路により制御しております。構造としてはダイナミックスピーカーの動作原理によく似ております。

上記のピックアップ構造が3ビームピックアップです。メインビームはデーター用、サブビーム2本でトラッキング制御用に使われております。ピックアップは顕微鏡のような構造となっております。レーザーダイオードは 可視光線のような色収差は発生しません。赤色の単光色ですので プラスチック非球面一枚レンズでも 焦点がずれず動作ができます。

ピックアップについては記憶で記述しているため誤記憶記載があるかもしれません。ご了承ください。

DCD-3500Gのピックアップは部品供給不能です。大事に使いましょう。故障すれば移植修理しかありません。


*** ピックアップユニット スライド用 スレッドモーター(リニアモーター)キャリッジシャフトの点検

ピックアップユニットはターンターブル側の中心部より外側にCDディスクピットに追従してピックアップを動かす構造です。ピックアップの少しの移動についてはトラッキングコイルで制御されておりますがトラッキング制御外になるとピックアップ本体を少しづつ移動する構造です。そのスライド機構にステンレスシャフトがあります。シャフトにはスピンドル油が塗布されており 経時変化でシャフトとメタルの油切れ、埃の付着が発生します。音飛びの原因にもなりますので シャフトをウエス等で清掃し新たに注油する作業です。多量の注油は厳禁。綿棒に油を染み込ませてシャフトに塗布注油します。

DCD-3500Gは骨董的なCDプレーヤーですが ちょっとしたメンテナンス作業で 機器の延命となります。

我が家のDCD-3500Gの過去の故障事例として突如デジタル表示が出ているが音が出ない症状に遭遇しております。
原因はメインボードに垂直に立っている亀基板の本体側半田付け部分のクラックが原因で新しく追加はんだ付けをすることで修復出来ました。
基板接続部はんだ付けは中央部は正常。両側のハンダ付けにクラックが発生しておりました。初期故障では発生の頻度が低く長時間使用すると発生する故障です。温度変化によるストレスでクラックが入ったと推察します。

山小屋でのDCD-3500Gは時々リードエラーが発生し ピックアップ交換しなければ治りません。レーザーパワーの調整をして騙しておりますが今となってはピックアッブ部品供給不能で悩んでおります。蛇の抜け殻模様のようなデジタル信号波形が 測定用テストポイントでのアイパターン信号を測定すると 規定値 1Vp-p にならず波形もすっきりしません。若干低い値で動作しております。レーザーパワーを調整しても大きく変化がありません。レーザーダイオードの劣化と思われます。

電子機器のプリント基板構造では 熱収縮によるはんだクラックはよく見かけます。ショックテストで不安定動作をする場合はハンダ付けを疑って見る価値はあります。振動によるクラックもあります。特にカーステレオ、ラジオにおいて顕著に故障します。振動と温度変化と機械ハンダ付けによる経時変化故障です。基板に追加ハンダ付けされておれば故障確率は低下するのですが・・・・。


修復作業については自己責任で修理作業をお願いいたします !!!  ご安全に


DCD-3500Gに手を加えて音質の良い音楽を鑑賞を  !!!




今回修理に使用した汎用工具と交換したベルト(黒色)、バンコード丸ベルト(オレンジ色)です。

修復作業に自信のない方は修理業者に修理点検依頼をお勧めいたします

製造メーカーよりベルト、ピックアップは部品供給不能です。修理もお受けできません。との回答!


うでに自信のある方は自己責任において一度はベルト作成に挑戦してください。


 無銭庵 仙人 の 独り言


ラジオ用の真空管で ガラス管ST14  Radiotron 6F6-G ダルマ型と メタル管 GE 6F6 です。ソケットはオクタルソケット、GTソケットで足は8本足です。6F6-GTはガラス管チューブ型ですが保有していません。

終戦後日本国内で流通しておりました ST管5球スーパーラジオ、電蓄に使用されておりました電力増幅管 UZ-42 と同等管です。42は6本足で真空管ソケットはUZソケットです。足の違いがありますが電気特性は全く同等の真空管です。
Dr.オルソンで一躍有名になった 6F6パラレルプッシュ三極管接続で設計されたアンプに使用されていました真空管です。

6F6-G p-p 三極管接続動作試験

6F6三極管接続アンプは 故 浅野 勇氏が述べられているように戦前の名球 45に似た音質の真空管です。プッシュプルアンプで作成しましても たかだか数ワットの出力しか能力はありませんが 古典管としての素直さがあるアンプとなっております。3極管接続とすることにより 大出力を期待できませんが 直線性の良いアンプとなります。能率の悪い近代的なスピーカーにはマッチせず能率の良いスピーカーで聞くとその良さが認識できます。

45シングルアンプ構成で 能率の良いALTECスピーカを使用されている 真空管マニアの方もおられます。別室に鎮座しているサブシステムで鳴らしました。6F63極管接続プッシュプル構成で 612J monitor を軽快に鳴らしました。普段は蘇生した SQ38FD , 612J(604-8K) , X-10R , DCD-3500G , DP3500(G940,M11) を組み合わせ 骨董品機器を愛用しています。

6F6-G のプロポーションには魅力があります。UZ-42 と同じでありソケットの形状が異なるだけです。電気特性は同じです。ラジオ少年時代おこずかいも乏しく 中学生時代に最初の工作は並3ラジオでした。いまだに品番は覚えています。6C6,6Z-P1,12F の構成です。自宅には6球スーパーラジオ電蓄があり 内部を見るとほのかに光る真空管がとても魅力的でした。真空管壁には 76,42,80 の文字が記載されておりメーカー名は松下製です。もう少し観察すれば 6W-C5,6D6,6Z-DH3A と記憶しています。6D6 にはシールドケースに囲まれています。電蓄でありレコードプレヤーは78回転・ピックアップは鉄針仕様です。スピーカーは8インチダイナミックスピーカーです。パーマネントダイナミックスピーカーと異なりスピーカーを駆動する磁石はフィールドコイルが取り付けられた電磁石です。当時古道具屋では手巻き蓄音機もガラクタとして販売されていました。なかなか 6C6 が手に入らず 6D6 で並3ラジオを工作しましたが型番が変わっていてもラジオとしては音が出ました。今となればシャープカットオフ・リモートカットオフの特性違いであると分かりますが当時は真空管の形で判断していました。部品取り用として古道具屋で安く購入した古いラジオを分解すると2.5V管が多く4本ありました。使えたのは 12F ぐらいです。57 が6C6 の 2.5V管であると判明したの先のことです。よく似た形で 58 がありましたが 6D6 の 2.5V 管です。使われていたスピーカーは8インチマグネチックスピーカーです。真空管といえばMT管・GT管が白黒テレビに多用されていた時代です。磁石は馬蹄形磁石でアーマチュア部にコイルが巻いてありキンキン音です。ちなみに電力出力増幅管は 12A でした。12F の代わりに 12Aを代用管として使いましたが使用できました。中にはなすび型の真空管もありましたが当時は関心がありません。今となれば骨董価値があるのですが。



by musenan sennin









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